vol.72 夜歩く者
「WE!」2010年7月号掲載
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ある日の深夜の事。家の仕事部屋で仕事をするフリをしながら、ネットに転がっているくだらない情報を吟味したり、PSPにエグい画像を仕込んで「誰かに見せてどんよりさせたろ!」なんつってせっせと作業していた時の事です。
突然、本棚の裏あたりでカサッ!という音がしました。
「ん?」と思ったオイラでしたが、「積んであった書類が崩れたのかな?」と思って別に気にもせず、そのまま作業を続けました。するとしばらくして、もう一度カササッ!と物音が聞こえて来たのです。む〜、奇妙。今までそんな事一度もなかったのに。以前紹介した我が家のやんちゃ猫達はリビングで寝ているので犯人はヤツらではありません。
それからは数十分おきにカサッと物音が聞こえて来るようになりました。時にはキチキチといった耳慣れない奇怪な音までします。しかも毎回同じ場所あたりから。
いったい何が?これが噂のラップ音?もしくは積んであるDVDやらマンガやらCDの重みで棚が徐々に崩壊しとるのか?なんて色々詮索してみましたが、「えーいめんどくさい。明日調べよう」という事で、一発屁をこいてからその日は床につきました。
翌日、原因を調べてみると、なんと物音の犯人はカブトムシでした。
子供が「カブトムシ飼いたい」というので数日前に購入してきたカブトムシが、虫かごから脱走して本棚のうらに潜んでいたのです。自分で虫かごのフタをこじ開けて。さすが昆虫界No1の怪力ぶり。お見事!
さてこのカブトムシ、上記の理由で30数年ぶりに飼育しているのですが、オイラが子供の頃と違って、比べ物にならない程に飼育するためのアメニティが整っていて驚きです。
土壌となるオガクズの良質さ、エサとなる昆虫用ゼリーの充実&手軽さ、木登り用のクヌギの木の種類の多さ、小バエが発生しないように覆うマット等。
オイラが子供の頃にやっていた、「オガクズ入れて、スイカ入れたらあとは放っとけ」的な飼育方法とは雲泥の差です。
しかも売り場には、見た事もない3本ツノのカブトムシ(アトラスオオカブト)が売られていたり、図鑑でしか見た事がなかったヘラクレスオオカブトムシなんかが平気で売られていて、カブトムシ業界では急速に国際化が進んでいます。
ウチが買ったのは普通のカブトムシで、オスメス合わせて880円でした。
田舎に住んでいる時は「東京ではカブトムシって買うモンなんだってさ!変なの!」なんて言っていましたが、いざ東京に住んでみると880円の予算でつがいのカブトムシを獲りに行くのは至難のワザと言えます。
子供の頃のオレよ、すまん!オレ、大人になったらカブトムシを買って済ますような人間になってしまったよ。許せ!